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きのこグループのスタッフが発信する
介護のお仕事ブログです
認知症の方に同じ流れ作業をする=介護の仕事と思っていないでしょうか。
きのこグループでは認知症をひとつの個性として捉えており、一人ひとりを尊重した介護を行っています。
今回は、きのこグループが大切にしている「パーソンセンタードケア」について解説します。
パーソンセンタードケアとは、一人ひとりを中心としたケアをすること。
認知症の患者さんには個性があるため、これまでの人生や人間関係などを踏まえて、一人ひとりを尊重してケアをすることが大切です。
患者さんの気持ちを汲み取り、心理ニーズを理解することが、パーソンセンタードケアの考え方だといえます。
患者さんの言動や行動について、脳の障害だけで起こっていると思っている人もいるでしょう。
しかし、実際にはそうではありません。いつもと違う言動や行動を引き起こす原因には、5つの要素があります。
記憶障害が起こることで、言動や行動に最も影響を与える要素が脳の障害です。
認知症の原因として最も多いアルツハイマー型認知症が当てはまります。
認知機能が衰えると、最近のことを忘れてしまう、場所や人がわからない、言葉が理解できないなどさまざまな状態が起こるため、患者さんは大きな不安や不快感を抱きます。
このような状態になったら、パニック状態になるのも不思議ではありません。
認知症になると、苦痛や体調不良を自覚することや人に伝えることが難しくなります。
そのため、痛みやかゆみなどの不快感を表すために、突発的な行動やいつもとは異なる行動をする可能性があります。
様子がおかしいと感じた際には、思わぬ病気が隠れていないかどうかを細かく見極めなければなりません。
一人ひとり歩んできた人生が異なるため、考え方や感じ方などは人それぞれ。
もちろん認知症の患者さんも同じです。
どのように生きてきたかを知ることは、患者さんを理解する良い方法になります。
現在の生活と友人や近所づきあい、過去の職業などに大きなずれがあり、言動や行動を変化させている可能性があります。
同じ生活をしていても、性格によって考え方や対処法はさまざまです。
例えば、おおらかな人が気にしないことでも心配性の人にとっては大ごとであり、混乱して認知症の症状が悪化するケースもあります。
また、もともとの性格を無視して関わりを続けるのも良くありません。
人見知りの人や一人で過ごすが好きな人を大勢の場に無理やり連れ出すと、激しい拒否行動を引き起こすことがあります。
認知症になるとわからないことやできないことなどが増え、能力の衰えが見られますが、感情やプライドがなくなるわけではありません。
認知症になって子ども扱いをされる、のけ者にされる、嘘をつかれるといったことを患者さんは敏感に感じ取っており、それが続くと生きる気力を失うことも。
怒りの反応を示す、ボーッとした状態になるなど、行動に変化が現れる可能性もあります。
5つの要素について理解しておくと、認知症の方の行動や状態が良く見えてきます。
それぞれの要素を見逃さずに手がかりにし、適切なケアを見つけることが大切です。
パーソンセンタードケアを行うために、介護現場で活用されているのが「認知症ケアマッピング」です。
認知症の患者さんを数名のグループに分け、一人ひとりの状態を6時間以上観察し、次の3つの内容を5分ごとに記録する方法を指します。
患者さんがどのような言動や行動をしているかを観察します。
まず、仕事をA、趣味をBなどアルファベットで記載します。
清掃員をしていた人が何度もテーブルを拭いている場合は、仕事に関わる行動としてAと記録。
趣味がスポーツ観戦だった人がテレビのスポーツ中継に興味を示している場合は、趣味に関わる行動Bと記録します。
感情や他者との関わり方などについて、患者さんの状態を数値化して記録します。
例外的に良い状態から最も良くない状態までの6段階を記載。
観察時に行っていた言動や行動によって、患者さんがどのような状態になるのかをデータ化します。
患者さんと関わる介護者がどのような言動をしていたかを記録し、介護者の言動によって患者さんにどんな影響や変化があったかを確認します。
このように、患者さんの「言動・行動」や「状態」、「介護者との関わり」を記録することで、支援内容や患者さんの状態を把握できるようになります。
きのこグループでは、今回紹介したパーソンセンタードケアを実践しながら介護をしています。
介護職に興味がある方は、ぜひ介護士として一緒に働きませんか?
ご応募をお待ちしております!
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